まずは、今公開中の映画の紹介から始めましょう。
第79回アカデミー賞3部門(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞)、
スペイン版アカデミー賞・ゴヤ賞では昨年、脚本賞、撮影賞など7部門受賞、と
世界中で絶賛された、メキシコ/スペイン/アメリカの合作映画が、
ついに日本にも上陸しました!
もちろん全てスペイン語です!
監督はメキシコ人の奇才ギレルモ・デル・トロ。
重厚な映像美に彩られた独特の世界観、
そして現実と幻想の世界が交錯する巧みな演出に
衝撃を受けると同時に深く魅了されることでしょう。
日本では『天国の口、終りの楽園。(Y tu mamá también)』などが
印象深いスペイン人女優、マリベル・ベルドゥなど
お馴染みの俳優も活躍しています。
◇『パンズ・ラビリンス』(原題:EL LABERINTO DEL FAUNO)
◇監督/脚本:ギレルモ・デル・トロ
◇出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、ダグ・ジョーンズ
◇製作:2006年/スペイン・メキシコ・アメリカ、119分
◇ストーリー: 舞台は1944年のスペイン。フランコが政権を握り、民主主義を否定して、レジスタンスへ残忍な粛清を続けるファシズムの時代です。父をスペイン内戦で失った13歳の少女オフェリアは、フランコ軍の冷酷な大尉と母の再婚を受け入れられず、大好きな童話の世界へ憧れを募らせるのでした。そして月夜、寝室に現れた妖精に導かれて迷宮へさまよいこんだオフェリア。そこでは牧神(パン、スペイン語ではファウノ)が、彼女が魔法の国の姫で、戻るためには3つの試練を超えなければならないと告げるのでした。過酷になる一方の現実の世界を、自分は本当は姫だと信じて耐えるのですが、幻想世界も次第に不気味さを増していきます…。
ファシズムの吹き荒れた、残酷なスペイン内戦後の世界。
この時代の歴史をちょっと調べてみると
さらに興味深く見ることができるでしょう。
また、牧神(パン、ファウノ)がオフェリアに
vosotros(二人称複数)で話しかけているのに気づくでしょうか?
これは、昔、vosotrosがもともと貴族の言葉だったことに
由来するのではないでしょうか。
それほど皆しゃべりたてるタイプの映画ではないので、
スペイン語も聴き取りやすい方ではないかと思いますよ。
ダークでグロテスクな表現もありますが、
スペイン絵画のような見事な映像美や、
ハリウッド映画ではなかなか出会えない想
像力の重みと美しさが見事に描きあげられた傑作です。
ぜひ、お見逃しなく!
◇2007年10月6日(土)から 恵比寿ガーデンシネマ、シネカノン有楽町1丁目ほか、全国ロードショー中です。
◇公式サイト:http://www.panslabyrinth.jp/(日本版)http://wwws.la.warnerbros.com/panslabyrinth/
http://www.ellaberintodelfauno.com/(スペイン語版)
http://www.panslabyrinth.com/(英語版)
スペイン語版のサイトの記事を読んだり、
スペイン語で感想を書いたりしている人の
ブログや記事を探すのも楽しいですよ。
スペイン語圏では、すでにDVD(スペイン語の字幕入り!)も発売されています。
また、関東圏では、公開に合わせて以下のイベントも開催されています。
■公開記念ギレルモ・デル・トロ監督の“イマジネーションの森”を彷徨う旅パンズ・ラビリンスの森展」
◇会場:TSUTAYA TOKYO ROPPONGI(六本木ヒルズ六本木けやき坂通り)
◇期間:9月26日(水)~10月11日(木)
アメリカンコミックや、宮崎駿や手塚治虫などの日本の漫画やアニメが大好きで影響を受けたというギレルモ・デル・トロ監督の貴重なスケッチブックを公開中。
■『パンズ・ラビリンス』公開記念 カワサキ ハロウィン2007
映画祭Part2「メキシコが生んだ鬼才ギレルモ・デル・トロ監督ナイト」
◇開催日:10月27日(土) OPEN 22:00 START 22:30~ALL NIGHT ※18歳未満入場不可
◇会場:川崎チネチッタ
◇上映作品:『ヘルボーイ』(2004)『デビルズ・バックボーン』(2001)『ブレイド2』(2002)
◇http://lacittadella.co.jp/halloween
映画はスペイン語を聞いて、その文化も学べるとてもいい機会です。
ぜひ楽しく活用してくださいね!
10.08.2007
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